著者：株式会社浜工務店

 

リフォームを考えているとき、「どの材料を選べばいいのか分からない」「床材やフローリングの違いがよく分からない」と悩んでいませんか。特にDIY初心者や住宅設備の知識が少ない方にとっては、建材の種類、施工方法、費用の相場といった情報は複雑で、選択を誤れば後悔につながりかねません。

 

国土交通省の住生活基本計画によれば、住宅の快適性と断熱性能の向上において使用される素材の違いが住環境に大きく影響を与えることが分かっています。断熱材やタイル、木材、クッションフロアといった主要な材料には、それぞれ耐久性や施工性、価格帯に明確な違いがあり、リフォームの目的や施工箇所によって適切な選定が重要です。

 

この記事では、材料選びに迷っている方へ向けて、リフォームで使用される主要建材の特徴や価格、選び方を徹底解説。失敗しない建材選定のための知識と視点を提供します。最後まで読むことで、費用対効果が高く、施工しやすく、ライフスタイルに合った理想のリフォーム計画が立てられるはずです。

リフォーム材料とは？基礎知識と選び方の全体像

材料選びで重要な3つの視点・性能・施工性・価格

 

リフォームにおいて材料選びは、見た目や機能だけでなく、施工性や費用、住まいの快適性に直結する大きなポイントとなります。中でも注目すべきなのが、性能・施工性・価格の3点です。

 

まず「性能」は、長く快適に暮らすために最も重視すべき要素です。例えば断熱性が高い素材を使えば、冬の暖房効率が向上し光熱費の削減につながります。また防音性のある床材や壁材を選べば、隣接部屋や階下への騒音対策にも効果的です。耐久性についても重要で、耐摩耗性の高い素材は、生活動線が集中する玄関や廊下に適しています。

 

次に「施工性」ですが、これは施工の手間や専門性、道具の必要性などに大きく影響します。近年ではDIYブームもあり、施工が容易な「置くだけフロアタイル」や「シールタイプの壁紙」などの材料が注目されています。こうした材料は、施工時間の短縮だけでなく、施工後のメンテナンスのしやすさにもつながるため、忙しい共働き世帯や初心者にも人気があります。

 

そして「価格」。リフォームの全体費用のうち、材料費は3〜5割程度を占めるケースが多く、適切な材料選びは予算調整の大きなカギを握ります。価格は材質や厚み、機能、ブランドによって大きく異なるため、比較検討が欠かせません。

 

以下に代表的な床材の比較表を掲載します。素材ごとの違いを把握することで、どのような目的や部屋に適しているかが明確になります。

 

材料名	断熱性	防音性	耐久性	施工のしやすさ	主な用途
クッションフロア	中	高	中	高	洗面所、トイレ
フローリング材（無垢）	高	中	高	低	リビング、寝室
フロアタイル	中	高	高	中	玄関、キッチン
カーペットタイル	低	高	中	中	子ども部屋、書斎

 

材料の選定に失敗すると、後から追加費用がかかったり、生活に不便が生じたりする可能性もあるため、断熱材や防音材、下地処理の要否まで含めて、複合的に比較検討することが重要です。リフォーム用品や建材は、ホームセンターや通販サイトでも入手可能ですが、専門的な相談が必要な場合には、リフォーム建材販売店やDIYショップのスタッフにアドバイスを求めるのも一つの方法です。

 

フローリング・壁材・天井材・外壁などカテゴリ別解説

 

リフォーム材料は施工箇所ごとに選定基準が大きく異なります。たとえばフローリングであれば、足触りや耐久性、掃除のしやすさが重視されます。種類も豊富で、「複合フローリング」や「無垢材」、「クリック式タイプ」などがあり、それぞれに施工性や価格に違いがあります。

 

壁材においては、防汚性や湿気対策が重要です。一般的にはビニールクロスが主流ですが、漆喰や珪藻土といった自然素材も注目されています。こうした自然素材は調湿性や消臭性に優れており、快適な室内環境を維持するために効果的です。また、「diyリフォーム 壁」向けのシールタイプのクロスも近年人気を集めています。

 

天井材には軽量で施工性の高い石膏ボードが多く使われていますが、防音性を重視する空間には吸音性のある素材が適しています。特に寝室や書斎など、静かな環境を求める部屋では素材選びが大きなポイントとなります。

 

外壁材は断熱性や耐候性が求められます。窯業系サイディング、金属サイディング、タイル張りなどが主流で、デザイン性も含めて選定されます。外壁リフォームでは、耐久年数だけでなく、メンテナンス頻度や再塗装の必要性も踏まえることが重要です。

 

以下は主な材料カテゴリ別に求められる性能や特徴をまとめた表です。

 

材料カテゴリ	求められる性能	主な種類	特徴
フローリング	耐久性、防音性、施工性	無垢材、複合材、クッション材	デザイン性が高く、用途に応じて選べる
壁材	防汚性、調湿性、耐久性	ビニールクロス、漆喰、珪藻土	調湿・消臭効果がある自然素材が人気
天井材	軽量性、防音性	石膏ボード、吸音パネル	施工が簡単で価格も抑えられる
外壁材	断熱性、耐候性、耐水性	窯業サイディング、金属、タイル	メンテナンス性と耐久年数のバランスが重要

 

失敗しないリフォーム材料の選定基準

安全性・環境配慮と建材の見極め方

 

リフォームに使用する建材の安全性は、見た目や価格だけでは判断できません。特に注意すべきは、ホルムアルデヒドや揮発性有機化合物（VOC）といった人体に影響を及ぼす物質の放出量です。この点を可視化するため、日本国内では「F☆☆☆☆（エフフォースター）」という等級が用いられています。F☆☆☆☆は、ホルムアルデヒドの放散量が最も少ない最高ランクを意味し、住宅内での使用面積制限がなく、安全性の高い材料であることを示しています。リフォーム資材選定の際には、この認証が付いているかを必ず確認すべきです。

 

一方、JIS規格（日本産業規格）は建材の強度・耐久性・寸法精度など、構造面や施工面での品質保証を裏付ける制度です。たとえば、内装材や木質建材、断熱材、床材にはJIS番号が定められており、施工業者だけでなくDIY初心者でも選びやすくなっています。

 

さらに、下記のような建材マークも存在し、それぞれの用途や品質を保証する意味があります。

 

マーク名称	意味・対象	推奨用途
JIS	強度・耐水性・寸法制度など工業規格を満たす建材	構造材・床材・天井・外壁等
エコマーク	再生資源を活用した環境配慮型資材	キッチンや洗面所などの内装材
VOC削減商品マーク	揮発性有機化合物を大幅に抑えた製品	室内壁紙・接着剤など

 

これらの規格を無視した建材選定は、将来的な健康被害や室内空気汚染、アレルギーの原因になりかねません。とくに子どもや高齢者が生活する住宅では、安全性と環境への配慮を重視することが重要です。

 

地域と気候に合わせた素材選定（湿気・寒冷地・沿岸部への対応）

 

リフォームの材料選定において、見落とされがちなのが「地域性」と「気候条件」です。同じ建材でも、使用する場所の湿度・温度差・塩分濃度によって劣化のスピードや効果が大きく異なります。日本の気候は地域によって大きく差があるため、全国共通の建材ではなく、エリア特有の課題に適した素材選定が求められます。

 

たとえば湿気が多い地域では、室内にカビが発生しやすいため、壁材や床材には吸湿性・防カビ性能のある素材を選ぶ必要があります。「調湿壁材」や「珪藻土入りクロス」などはその代表例で、リビングや洗面所、玄関など空気の流れが停滞しやすい場所に効果的です。

 

一方、北海道などの寒冷地では、断熱性に優れた素材選びが必須です。外気温がマイナスになる地域では、窓のサッシからの冷気侵入を防ぐために「断熱材入り壁材」や「アルミ樹脂複合サッシ」の導入が有効です。また、床材にも冷えにくく熱伝導率の低いフローリングを選ぶことで、冬場の底冷え対策につながります。

 

沿岸部では「塩害」が大きな懸念です。金属製部品が錆びやすく、外壁や屋根材には耐塩害性・防錆処理された製品を使うことが大切です。外装建材としては「ガルバリウム鋼板」や「塩害対策処理済みサイディング材」が代表的です。

 

以下に、地域別の素材特性とおすすめ素材を整理しました。

 

地域気候	リスク	推奨素材例
湿気が多い地域	カビ・結露	珪藻土壁紙、調湿ボード、防湿フロアタイル
寒冷地	冷気侵入・暖房効率低下	高断熱材、樹脂サッシ、断熱床材、クッションフロア
沿岸部	塩害・金属腐食	防錆外壁材、塩害対策済サッシ、樹脂製デッキ

 

地域に合わない建材を使うと、施工後わずか数年で腐食・反り・結露などの問題が発生することがあります。結果として、早期の修繕や再リフォームが必要になり、費用や手間がかさみます。

 

diyリフォームであっても、エリア特性に合わせた建材選定ができるよう、専門ショップでの相談や、地域密着型の建材屋から情報を得るのも有効な手段です。近年は、diyショップ通販でも地域特化型の資材特集を組む店舗が増えており、湿気対策や寒冷地向けの「用途別パッケージ」も見られるようになりました。

 

DIYで使いやすいリフォーム材料と施工アイデア

貼るだけ・置くだけでできる！初心者向け材料特集

 

DIY初心者にとって、最初の関門は「施工のしやすさ」です。リフォームの第一歩として選ばれることが多いのが、特別な工具や技術を必要としない「貼るだけ」「置くだけ」の施工材料です。とくにフローリングやタイルの分野では、このタイプの材料が数多く登場しており、施工性と仕上がりの美しさを両立しています。

 

代表的な製品として、「リフォームフロア6mm」は根強い人気があります。この床材は厚みがありながらも軽量で、置くだけで床をリフレッシュできるのが魅力です。また、賃貸物件でも利用できるよう設計されており、原状回復にも配慮されているのが特徴です。「リスタ フロアタイル」も、粘着シートで簡単に設置できるタイプとして注目されています。こちらはカッター1本で加工可能で、道具を持たない初心者でも短時間で施工が完了します。

 

加えて、DIYショップやホームセンターでは、初心者用として「施工ガイド付き」や「動画マニュアル付き」の商品が増えています。これらは施工ミスを防ぐだけでなく、完成イメージをつかみやすくするため、はじめての方でも安心して作業を進められます。貼る・置くだけの簡易材料は、作業時間を短縮できるのはもちろん、失敗してもやり直しがしやすいため、挑戦のハードルが低いのです。

 

施工後の仕上がりにも違いが出ます。フローリング材にはワックス不要の表面加工が施されており、手入れの手間も最小限で済みます。また、防音性能を兼ね備えている商品もあり、集合住宅に住む方にとっては騒音トラブルを防ぐ有効な手段になります。

 

費用面でも、これらの材料は比較的リーズナブルです。1畳あたり数千円から始められるものが多く、リビング一室の施工で1万円台に収めることも可能です。さらに、店舗によってはアウトレット品や季節限定キャンペーンを展開しているため、予算に応じた選択肢も広がります。

 

一人暮らし〜ファミリー向けで異なる材料選びのコツ

 

DIYによるリフォーム材料の選び方は、暮らす人のライフスタイルや住宅環境によって大きく異なります。一人暮らしの場合とファミリー世帯では、必要とされる機能や重視すべきポイントに明確な違いがあるため、それぞれの特性に合った材料を選定することが重要です。

 

一人暮らしでは、施工の手軽さと費用対効果がもっとも重視されます。部屋数が限られていることから、デザイン性の高いフロアタイルや壁紙シートなど、手軽に雰囲気を変えられる材料が人気です。たとえば、カットしやすく貼りやすいクッションフロアや、剥がしても跡が残りにくい粘着式のタイルなどは、コストを抑えつつ満足度の高いDIYを実現できます。色や模様のバリエーションも豊富で、自分らしい空間づくりができるのも魅力です。

 

これに対してファミリー世帯では、安全性や耐久性、そして防音性が重視されます。特に小さな子どもがいる家庭では、転倒リスクを減らすためにクッション性の高い床材を採用するケースが多く、また食べこぼしや飲み物の汚れにも強い耐水性の素材が好まれます。さらに、集合住宅での生活では、階下への騒音トラブルを避けるために、遮音等級に配慮された床材を使用することもポイントです。

 

ペットがいる家庭では、爪による傷や汚れへの耐性を考慮しなければなりません。そのため、傷つきにくく、滑りにくい表面加工が施された床材や、水に強いシートタイプのフローリングなどが選ばれています。特に「ノンスリップ加工」や「防臭・抗菌仕様」といった機能は、ペットとの快適な生活を支える重要な要素となります。

 

さらに、高齢者がいる家庭では、段差のない床材や転倒時の衝撃を吸収するソフトフロアが適しています。視認性の高い色調を選んだり、滑りにくい表面素材を使ったりすることで、事故のリスクを軽減できます。

 

まとめ

リフォームにおいて材料選びは、費用だけでなく施工性や快適性にも大きく関わる重要な要素です。実際に、住宅のリフォーム費用のうちおおよそ三割から五割が材料費とされており、選択を誤れば数十万円単位での予算超過につながることも少なくありません。

 

クッションフロアやフローリング、フロアタイルといった床材一つをとっても、価格帯や耐久性、断熱性、さらには施工のしやすさに至るまで、特徴は大きく異なります。たとえば、DIY初心者には扱いやすいクッションフロアが人気ですが、長期的な耐久性を重視するならフロアタイルや無垢材の方が適している場合もあります。使用する部屋や家族構成、ライフスタイルに応じて、材料の特性を正しく理解し、適切に選ぶことがリフォーム成功のカギとなります。

 

また、見積書において「材料費」と「施工費」「管理費」などの内訳を明確に把握することも、無駄な支出を防ぐためには欠かせません。リフォーム材料に関する情報は多く存在しますが、信頼できる商品情報や建材の価格帯を整理したデータを基に検討を進めることが、納得のいく仕上がりにつながります。

 

今回の記事では、建材ごとの性能や価格、適した使用場面を細かく比較し、選び方のヒントを提示してきました。これを踏まえ、自分の住まいに最適な材料を選定することで、後悔のないリフォームを実現できます。素材の選択次第で、住宅の快適性や断熱性能は大きく向上し、長期的な住環境の質にも影響することを忘れないようにしましょう。

よくある質問

Q. リフォーム材料の選び方で一番重視すべき性能は何ですか？

A. 一般住宅で多くの方が重視しているのは断熱性と耐久性です。特に寒冷地では断熱材の性能が快適性に直結し、夏場の湿気が多い地域では調湿機能のある壁材が人気です。また、床材には衝撃に強いクッション性や、長期使用に耐えるフロアタイルが好まれます。価格だけでなく、設置場所の特性や住宅の築年数を踏まえて選ぶことが、失敗しない材料選びの基本です。

 

Q. リフォーム材料の購入は通販と実店舗、どちらがおすすめですか？

A. 価格や種類の豊富さで選ぶならオンライン通販、実際に質感を確認したい方にはホームセンターや建材専門店が向いています。通販では「納期最短」「出荷当日対応」などのメリットもありますが、色味や質感が画面と異なるリスクも。返品対応やサンプル請求の可否を事前に確認し、安心できるショップ選びがポイントになります。

 

会社概要

会社名・・・株式会社浜工務店

所在地・・・〒675-0023 兵庫県加古川市尾上町池田1770-1

電話番号・・・079-424-3730